フェラガモとアナスイと僕と弟と。
地味に我が家に滞在している弟と昔の話をしながら出かける準備をしていると、自分の靴が臭いことを思い出し、目の前にあった薄いパープルの薔薇のカタチをしている香水を手に取り、靴下に5プッシュくらいした。
すると、パジャマ姿の弟が爆笑するので、状況が読み込めずにいると、「これ、オレのなんだけどw足が臭いのは分かるけど、片足5プッシュはないだろうwwwwww」と言われ、一瞬、思考回路がショートした。
なぜなら、うちの母上はメーカー勤務で、高いのか安いのか、よく分からない香水やコスメを家に置いていくことがあり、てっきり、母上が置き忘れた香水だと思い込んでいたからだ。
ちょっとばかり動揺しながらも、ブランドを主張しない香水を裏返すと「アナスイ」と書かれたラベルシールが貼られていた。
まさか、22歳(?)男子がANA SUIの香水を使っているなんて.....想定外すぎる。
なんの裏技なのか理解に苦しむところだが、ここで弟にメリットを与えなければ、共通の知り合いに“姉ネタ”として言いふらされるのがオチだ。
姉弟の関係、そして、コミュニティを共有している私の立場を考えると、すぐさま弟に何かを差し出さないといけない。窮地に追い込まれたのだ。
そこで、年末になけなしのお金をはたいて買ったフェラガモの香水の使用権を与えることにしたのだが、弟は
「ありがとう、良い香りだね!靴下に激しくプッシュするね!^^」
と言った。
おとーとよ、ANA SUIよりもフェラガモさんの香水が高いのを忘れんじゃねーぞ。