キャバ嬢になろうと思ったのに、AndyのドレスMサイズがキツい問題
人生で一番デブだった頃の私は、身長158センチ、体重56キロくらいだった。元々38キロしかなかったのだが、夜働くようになり、昼間まで酒を飲む生活を送っていたら、あれよあれよと20キロ近く肥えてしまった。
ゴミライフを満喫した後、キャバ嬢になった私の体重は43キロで安定していた。ジーンマクレーンのドレスがお気に入りで、よく着ていたのだが、Sサイズでも少し大きかった。
妊娠・出産で58キロまで増えた体重は36キロまで落ちたけれど、58キロが43キロのドレスを着ようとして、ドレスを何着かダメにした。
そう、私は現実を受け入れられないタイプだ。ある意味、前向きな性格のおかけで、クラブ時代の先輩から「ゆかこ!二の腕ヤバイよ!?」と言われても、「ヤバいですよね\(^o^)/」って流していた。
しかし、ドレスは正直だ。ドレスは絶対に嘘をつかない。それどころか、厳しい現実を直視させようとする。
つい先日、しばらくキャバ嬢をしようと思いドレスを買いに行った。Andyのドレスを試着したらMサイズになっていた。何かがおかしい。いや、全てが……地球が……宇宙が……おかしいよ。私、Mサイズじゃなかった。27年間の人生でSサイズが入らない期間なんて、妊娠中を除いたら半年くらいだよ?
鏡に映っている自分を見た。
なるほど。太っている……。しかも、二の腕と下っ腹が強い主張をしている。すぐはまアタマの中に住んでいる21歳ゆかこを引きずりだし、往復ビンタをした。
「てめー! 散々、児童館ママをdisってたの謝れ! 27歳の私を見てみろ!? ただのブタだぞ!? キャバ嬢したいのに、ドレスが入らなくて出来ないブタだぞ!?」
AndyのドレスMサイズがキツい問題は、 大丈夫、早く通信の志望理由書やって、また学生になれば……少しくらい太っていても、それが愛嬌になる、と自分に言い聞かせることにした。そして、右手に持っていたジュンク堂の袋を見てから、深呼吸をした。
AndyのドレスMサイズがキツい問題がジュンク堂の袋で相殺された瞬間だった。