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シングルマザー女子大生/上原のにっき。書くネタが無いので、雑記、コスメ、

パパが三角形の面積をだせないのは馬鹿だからじゃないんだよ

パパの命日まで後1ヶ月。

私がパパと過ごした13年間の中で1番衝撃を受けたのは、パパが小学生の算数ドリルをやっているのを目撃してしまったことだった。

パパがやっていたのは、分数の足し算や引き算。

通分すらできないパパにドン引きした記憶がある。

 

どうして、パパが分数の計算や面積の計算ができないのか。

そんなことは考えずに、パパの存在に拒否反応を起こしてしまったし、同じ血が流れていると思うと気持ち悪くて仕方なかった。

思春期特有の「パパ気持ち悪い」のスタートは、パパが小学生レベルの、しかも小学校3年生、4年生レベルの算数ができないのがきっかけだった。

 

先日、娘の自由研究の話をママとおとーととしていると、なぜかパパの話題になった。

ママが「パパは三角形の面積の計算すらできなくて、何度もイライラさせられた」みたいなことを言うと、おとーとが「怒らないで説明できないの?」とまくしたてていた。

たしかにママは激しい人で、私が勉強中にボケーっとすると物差しで手を叩かれていたし、テストで100点以下を採るとハンガーで叩かれていた。(そりゃ勉強しなくなるわw)

 

パパがまだ生きているころ、ちょうど私が中学受験したいとごねまくっていた時期だったかな。パパは「私立中学を受験して、合格したら私立に通っていい」と言っていた。その後に「パパが子どもの頃は貧乏でセミを採って食べていたし、近所の人に小麦粉貰って弟に食べさせてたし、全く勉強できなかったからユカちゃんは好きなだけ勉強したら良いよ」と話していたのを覚えている。

 

当時の私はパパの話の重さに気付かず、やっぱパパちょろいwなんて思っていたのだから最低な小学生だったんだけど、今となってはパパが通分できなかったのも、三角形の面積の計算すらできなかったのも、パパは“貧乏”じゃないし、バカじゃないし、“貧困”家庭で育ったからだ、と理解できる。

 

食欲を満たすために、人間として、生き物として最低限必要な“食べる”という行為をするためにセミ採りをしていたのだから、三角形の面積なんて出してる場合じゃないし、大人になって愛する妻に罵られながら教えてもらっても分からなかったのは、きっと、図形が何なのかアタマの中で処理できなかったんだと思う。

 

幼児教育のオモチャを見ると、図形の基礎をなんとなく理解できるような積み木やマグネットが売っている。買えなければ折り紙でもしたら良いじゃん!とか、そんな次元の話でもなくって、正方形や長方形を見て考える時間も習慣もなかったんだろうな。

 

ママとおとーとに「パパは折り紙したことなかったのかもよ?もしかしたら紙を二つに切って遊んだこともないのかもしれないし、そういう経験がなかったら正方形や長方形を2で割れば良いって発想すらできないんだよ」と言うと、ママはバツが悪そうな顔をして、おとーとは「できる人には分からないんだよ!!」とドヤ顔だった。

 

でもね、おとーと。

おねーちゃんは「できる人には分からない」って考え方は好きじゃないし、罵られながらでも必死に学ぶ姿勢を貫いたパパを尊敬してるよ。

 

今年のお盆は、自分が出来なかったことを娘にさせようと頑張ったパパに、感謝の気持ちと大学進学の報告をしてみようかな。